EXCOー仮想通貨世界譚ー 第一話 ハロウィンパーティ
とある遠い遠いどこかの未来、その世界は仮想通貨による快適な暮らしをしていました。
私たちの世界でいう現金は彼らにとってすべて仮想通貨であり、彼らは私たちと全く違った価値観です。
そんな世界に、一人の少女がいました。名はエクスカリバー、愛称としてえくすこたんとして親しまれています。このお話は、えくすこたんによるエクスカリバーコインを世に広めていくお話なのです。
ここは通貨市場コインハートエクスチェンジ。世界で50位の取引高を誇る仮想通貨現実市場。
仮想通貨は、直接人同士でトレードする事ができる。
そういった集会場だといえばわかるだろうか。
50位といっても仮想通貨に身を置いてる者はどれだけの巨額かわかるだろう。
「今宵もまた、何億枚もの仮想通貨が飛び交うのね」
「じゃないですよ!えくすこさん! 私に運賃払わせておいて、一人でいかないでくださいよー」
「アリス……あなたが付いていきたいっていうからじゃない」
「いやだって、私は世話係ですしぃ……」
「あー、あそこに美味しそうなハロウィンコイン型アイスが……おいしそー」
「またそうやってぇええええ私の話を無視してぇええええ」
「そんなこというならアリスの分はあげないからねー」
「そんな意地悪言わないでくださいよーぉ。私も食べますからね」
「ま、いいけど。今日は、相対しにきたのよ」
「EXCを材料にして流通しようってことですか、それは素晴らしいことですね」
「それはどうかしら。おじいちゃんの時代ならまだしも」
「ええ、そうですとも!かのアーサー王は、EXC発行し、コインの顔にまでなってます」
「古いのよ」
「え?」
「古いのよ、それ自体が」
「エーーーーーッ」
「このままじゃ、私の代にいくまえにパパの代で終わりだわ。あのパパじゃ……」
「そ、そんな悲しい事言わないでくださいよ~」
「そりゃ私の名前もエクスの名前があるからなんとかしたいけど」
「どうにかしてくださいよ~」
「どうにかする為に今、考えてるんでしょう、アリスッ!でこをだしなさい!」
「はいー、イタイタタタタ」
侍従アリスをデコピンするのが日課のえくすこたん。
それに素直に従うアリスもアリスだが。
「えくすこさぁん、ここどこですか」
「ハロウィンにつられて気がついたら、わけのわからない屋敷に」
「そこの女子二人ィー、仮装しなきゃダメダメダメデス、ガニメデス、フェルナンデス」
全身かぼちゃ色と思わしき風貌、かぼちゃを切り抜いたマスク、かぼちゃのスーツ、そしてかぼちゃのマント。
「かぼちゃ男?うんこ色……」
「そんなこといったら失礼ですよぉ」
「うんこの怪人デハナーイ!パンプキンマスクダッ、これは仮装ドレスコードダッ。
ドレスコードしてからコイ!コイ!コイノバイオント!しかし、幼女……どこかで見たことがある顔を」
アリス、えくすこたんに耳打ち。
「堂々と歩いてきましたが、一国の姫が白昼堂々、歩いてるのはまずいですよ」
「面倒だけど、アリスの言うとおりだわ、コスプレしよう」
「これはコスプレデハナイッ!仮装ナノダ!ノダ・・・・・・ノダ・・・ノダ」
「ネタがつきたんでしょー」
「ウルサーイッ。ハエの音がするくらいウルサーイ」
「私もこの人面倒になってきました、退散しましょう」
二人は仕切り直し、市場で仮装をして、屋敷の中へと入っていく。
二人が入っていくのを見て、マスク男は不気味にワラった。
「この世界を何も知らないお姫様、それは囚われの姫……」
Comment