「あ、ああ!勇者ですよ!勇者!伝説にあった勇者がついに出たんですよ!」
「まさか、彼が?」
王女は緊張が解けると興奮して女王に言った。だが女王はそんなものが目の前にいる少年とは到底思えない。
「え、伝説?」
イサミもわけわが分からなくなる。
「そうなんです。この世界に魔王の脅威迫る時、姫とまぐわい、魔王を打つ力を得る勇者現れんという伝説が王家にはあるんです」
「はあ…………、まぐわう?」
王女がその伝説を語るとイサミはその一言に疑問がついた。
アステリア·ハイデリオス、このハーデルト王国の王女であり青いドレスの隙間から見える巨乳、金髪の三つ編みを後ろでした青い目をしている純朴な少女だ。
イサミ程度の純朴な少年なら一瞬で魅力されてしまうだろう。
だがまぐわうという一言はそれらを吹き飛ばす威力を放っているのだ。男というものを知らなそうな少女が肉体関係の話をするなどありえないことだろう。
「あの、勇者が姫とまぐわうてどゆこと?そんな眉唾な伝説があるて本当?聞いたこと、ないんですけど」
イサミは困惑のあまりもう一度聞いた。
「驚くのも無理はありません、街には伝わってませんから。でも、今こうして敵が現れ、あなたという勇者も現れた。伝説は本当だったのです!さあ、今すぐわたしと結婚しましょう!」
アステリアはまくしたてるように言う。
「ええ………」
イサミは再び声が盛れた。勇者というのはあくまで自称であり勇者らしいことなどしていないのだ。なのに伝説のそれと担ぎあげられようとしなにも言えなくなってしまう。
「ちょっとアステリア!いきなりそんな!」
「これしかありませんよ!いえ、これでいいんです!」
女王は戸惑うもアステリアは乗り気で下がる気はない。