雑司ヶ谷高校 執筆部
松本城(日本100名城No.29)
 甲府駅から、あずさ号に乗って、一旦、塩尻まで向かう。  松本まで一挙にいかないのは、特急料金を節約するためだ。  先日、伊達先輩に教えてもらった節約方法を思い出す。 「甲府から松本の特急料金は1,580円、甲府から塩尻までは1,020円。560円浮かせることができる。塩尻から松本は普通電車で16分だから、乗り換えの負担は少ない」  560円だと、一食分の外食ご飯ぐらいにはできるだろう。まあ、旅費は部費から出ているので、どっちでもいいんだけど。  かいじ号の座席は快適なので、僕は塩尻まで一時間ばかり、また寝てしまった。  そして、塩尻駅に到着したら、上杉先輩にまた叩き起こされた。  塩尻駅で普通電車に乗り換えて、無事に松本駅到着した。  僕らは駅の東口から降りた。駅前にはロータリー。  伊達先輩によると徒歩で15分ぐらいで松本城着くという。  松本城に到着する。ここは特に人気のある所なので、観光客でいっぱいだ。  天守閣の見学待ちが2時間となっていて、僕らは驚いた。  どこかのテーマパークの順番待ちのようだ。 「さすが、松本城だねぇ」  上杉先輩が驚きと呆れの混ざった声で言った。 「どうしようか?2時間待つ?」  伊達先輩が尋ねるが、僕は正直2時間待ちは正直しんどいなあ、と思った。 「いや、アタシはいいやー」  上杉先輩は両手を頭の後ろに組んでそう言う。 「武田君は?」 「僕もさすがに2時間待ちは辛いかなと」 「じゃあ、お城の周りをお堀の外から見学するだけにしましょうか」  先輩二人も僕と同じ意見で良かった。  僕ら三人は、少し歩いてお堀の外側からお城を見学する。  黒漆塗りの壁が印象的なお城だ。以前は“カラス城”とも呼ばれていたそうだが、岡山県には烏城があり、松本城をカラス城と呼ぶのは間違いであると。そもそも、どこの文献に松本城=カラス城という風に載ってないという。まあ、誰かが勝手に言い出したのだろう。  先輩二人は松本城をバックに何枚か自撮りをしている。  他の観光客にお願いして三人の記念撮影も撮ってもらった。  天守閣を見学しなかったので、滞在時間は短かったが、次の目的地、名古屋に向かおうということになった。  歩いて松本駅に戻った。  ここからは特急ワイドビューしなの号というのに乗って名古屋に向かう。  松本から名古屋までは二時間と少しで着くらしい。  名古屋までの道中はさすがに寝なかった。時折外の風景を眺めたり、持ってきた参考書を読んだりしていた。  名古屋駅に到着すると、金山~名古屋間の乗車料金を追加で払って駅を降り、宿泊するというホテルに向かった。 ================================ 松本城の詳細は https://www.matsumoto-castle.jp/
ギフト
1