雑司ヶ谷高校 執筆部
岡崎城(日本100名城No.45)
 伊達先輩が言うには、『青春18きっぷ』というやつで移動するという。 「伊達先輩、その青春18きっぷの詳しい説明をお願いします」 「このきっぷが発売されるのは、夏休み、冬休み、春休みの時期で、JRの在来線であれば1日乗り放題。その5回分が1枚になっているの。値段は12050円」 「JR以外はダメなんですね」 「通過だけであれば大丈夫な、三セクもあるわ」 「三セクってなんですか?」 「自治体と企業が共同で出資している会社の事ね。新幹線が開通して、並走していた在来線をJRが手放して、三セクになった路線の通過が大体OKみたい」 「はあ…」  良くわからんな。 「18きっぷ、ということは18歳までしか使えないとか?」 「そういう勘違いする人がいるけど、年齢制限はないわ。だから、大人でも使えるの」 「なるほど」 「まあ、もっと知りたければググってみてね」 「はあ…」  そんなこんなで、僕らは改札へ向かう。  有人改札でハンコを押してもらっている。自動改札は通らないらしい。そして、このきっぷで5人まで一度に乗れるという。  今回の旅は4人×3日分ということで、18きっぷを3枚用意しているという。  僕らは電車に乗り込み、JRで池袋から平塚、平塚から熱海、熱海から興津、興津から浜松、浜松から豊橋と何度も乗り換える。そして、豊橋から東岡崎までは名鉄で移動した。岡崎城は東岡崎駅が最寄り駅なのだ。  名鉄は青春18きっぷは使えないので、普通にきっぷを購入して乗った。  池袋から東岡崎までは7時間近くかかって、もう昼を過ぎていた。乗り換えが多かったので、あまり寝れなかった。なので、まだ眠い。  道中、先輩2人は、いつもの乙女ゲーやったり、毛利さんは読書したりして時間をつぶしていたようだ。みんな眠くないのだろうか? 「毛利さん、何読んでるの?」  僕は好奇心から、毛利さんに尋ねた。 「カズオ・イシグロの『忘れられた巨人』よ」  毛利さんは教えてくれたが、著者もタイトルも知らなかった。余計な恥をかいた、聞くんじゃなかった。  お腹も空いてきたので、昼ご飯を食べようということになり、駅前の洋食屋さんでランチを食べた。  そして、ランチの後は15分ほどの徒歩で汗をぬぐいつつ、僕らは今回の旅の第一目的地の岡崎城に何とか到着した。  暑いのでちょっと辛かった。  博識な伊達先輩によると、ここは徳川家康が生まれた城らしい。  立派な天守閣があるが、これは昭和の時代に再建されたということだ。  天守閣の脇には龍城神社が建っている。  僕らは入場料を払い、お城の天守閣に登る。  岡崎の町が一望できた。風が気持ちいい。  天守閣を出て、反対側に行くと、徳川家康の銅像が立っていた。  さすが家康の生まれたお城だ。  しばらく公園を散策していると、馬に乗った人物の銅像があった。  僕は伊達先輩に尋ねた。 「これは誰ですか?」 「松平元康よ」 「それは、誰ですか?」 「徳川家康が若いころ名乗っていた名前よ」 「へー。ということは、これも家康なんだ」  昔の人は、しょっちゅう名前が変わるよな。覚えるの大変だ。昔の人も面倒とは思わなかったのだろうか?  それに歴史を勉強させられる後世の人々のことも考えてほしい。まあ、松平元康の名は教科書には出てきそうにないけど。  『三河武士のやかた 家康館』も入場して見学した。  徳川家康の生涯の足跡が展示してあったり、いろんな武将の鎧が飾ってあった。  次もあるので、あまりゆっくりできない。この辺で次の目的地、犬山城へ移動を開始する。  ===================  岡崎城の情報  https://okazaki-kanko.jp/okazaki-park/feature/okazakijo/top
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