雑司ヶ谷高校 執筆部
恩返し
 土曜日。  久しぶりに午前中は遅く起きて、自室でゴロゴロしていた。  北条先輩に脅されていた件が無くなったので精神的にだいぶ楽になっていた。  午後になって、ふと、思い出した。  そう言えば、片倉先輩に恩返しをしたいと思っていたが、どうしようか…?  そうだ!  以前、東池女子校の細川さんに合コンのメンバーを集めろって言われていたのを唐突に思い出した。  合コンに片倉先輩を誘ったらどうだろうか?  片倉先輩は合コンとか行くのかな?  合コンに誘われたら嬉しいのだろうか?  ちなみに僕は嬉しくないのだが…。  とりあえず、本人に聞いてみるか。  といっても片倉先輩の連絡先を知らない…。  いや、ツイッターのアカウントがあるから、そこにメッセージを送ればいいんじゃないか!  早速、スマホを手にしてツイッターのアプリを立ち上げ、メッセージを送ってみる。 『北条先輩から助けてくれたお礼に、合コンにお誘いしたいのですがいかがでしょうか?』  すぐに返事が来た。 『いいね! メンバーは誰だい?』 『僕とサッカー部の足利悠斗と、相手は東池女子校の3人です』 『足利君は知っているよ、新聞部の取材で話をしたことがある。でも、なんで東池女子と知り合いなんだい?』 『行きがかりで』 『そうか。合コンの取材も面白そうだから行くよ、日程は?』  取材? 普通に合コンを楽しむという考えは無いのか。 『まだ決まっていませんが12月中の土日にしたいと思います』 『了解、決まったら教えて』  メッセージのやり取りを終えると、今度はLINEアプリを立ち上げた。  細川さんに連絡だ。 『こんにちは。合コンメンバーが決まったよ』 『遅いよー(>_<) もうやる気無いのかと思ったよ』  まあ、やる気は無いんだが。 『ごめん。それで、日程は』  そこまで入力して、自分のスケジュールを確認し、続きを送る。 『来週の土曜でどう?』 『いいよー♡』 『場所は? 合コンやったこと無いから、どこに行けばいいか、良くわからないんだけど』 『場所はまかせてよ! とりあえず、来週の土曜に14時にいけふくろう前に集合ね♡』 『わかった』 『たのしみー♡♡♡』  細川さんとのやり取りを終えると、僕はこの結果を片倉先輩と悠斗に連絡した。  それにしても合コンって、一体、何やるんだろ??  まあ、片倉先輩も楽しみにしてくれているようだし、これで、合コンの件もクリアだな。  北条先輩の件もそうだが面倒なことが、どんどん片付いて行くのは気分がいい。  陽キャ女子たちに絡まれた件があるが、これは後引くのだろうか…?  とりあえず、総合的に見て負担が大きく減ったのは間違いない。  僕は、いろいろ安心したのか、まだ午後3時頃だったが、眠気がしてきたので、ちょっと昼寝をすることにした。
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