雑司ヶ谷高校 執筆部
奴隷生活11日目
 今日も中間試験。  何とか終了。    帰宅しようと後片付けをしていると、毛利さんが話しかけてきた。  明日の物理の試験対策を一緒にしたいという。  僕は快諾して、いつもの様に僕の家にやって来た。  しばらくして、予想通り今日も上杉先輩がやって来た。  昼食は昨日のカレーがまだまだ残っているのでそれを食べる。  昨日、夜ご飯は僕の家族もカレーを食べたのだが、だいぶ多めに作って置いてよかったよ。  ダイニングで、3人で仲良く(?)カレーを食べようと準備する。 「今日もカレーなの?」  上杉先輩が言いだした。 「ダメですか?」 「これ、昨日の残りだよね? 手抜きじゃん。料理のバリエーション増やしたら?」  まさかのダメ出し。 「今日はもうこれで勘弁してください」  僕はカレーを盛った皿を上杉先輩の前に置いた。 「まあ、いいや」  上杉先輩は、不満がありそうながらもカレーを食べ始めた。  ダメ出しを食らったが、明日は試験最終日だ。  僕は確認する。 「明日から、部活が再開出来るようになるので、部室に行きますよね? もう、お昼ご飯を作る必要はないですよね?」 「そうだね…。じゃあ、明日は、お弁当作って来てよ」 「えっ?! 弁当ですか?」 「そうそう。よろしくー」  やれやれ。  日の丸弁当でも持って行ってやろうかな。ご飯と梅干しだけでいい。 「私も武田君の作ったお弁当食べたいな」  毛利さんが、とんでもないことを言いだした。 「じゃあ、アタシと毛利ちゃんと恵梨香の3人分の弁当を作って来てよ」  上杉先輩が命令してくる。 「えええー…」  奴隷に拒否権はない。  しょうがない。 「恵梨香に、明日は弁当持って来なくていいって連絡しといて」 「はいはい」  弁当は、いつもは母親が作っている。そして、たまに妹も手伝っているようだ。  夕食の残り物とレンチンできるような冷凍食品でおかずは作られているはずだからな。そんなに手間はかからないだろうと予想する。  そんなこんなでカレーを食べ終えると、後片付けをしてみんなで僕の部屋へ。  僕と毛利さんは、試験勉強。  上杉先輩はベッドに寝転んでマンガ熟読。  時折、毛利さんの物理のわからないところの質問を受ける。そして、別の試験科目も勉強をする。  しばらくして、妹が帰宅したら、上杉先輩は妹の部屋に遊びに行った。  その後は平穏に時間が過ぎた。  約3時間後、試験対策も終わったので、毛利さんは帰宅した。  そして、知らないうちに上杉先輩は帰宅したようだ。    妹が僕の部屋にやって来た。 「お兄ちゃん、明日、お弁当作るんだって?」 「ああ、上杉先輩の命令でな」 「いっそのこと、これからずっと自分で作ったら?」 「ずっと? いやだよ」 「今の時代、男も料理ができないとモテないよ」  まあ、料理出来る方がモテるんだろうな。  しかし、料理をするにしても、毎朝の弁当つくりは勘弁したい。  たまにならいいけど。 「考えとくよ。とりあえず、明日の弁当は僕が作るよ」 「私も弁当欲しいなー」 「おまえ、中学は給食があるだろ?」 「そうなんだよね。じゃあ、いつか作ってよ」 「やだよ」 「ケチ!」  そう言い捨てると妹は去って行った。  僕は念のため僕の分を含めて4人分の弁当の余分な食材があるか確認する。  台所まで行って冷蔵後を開ける。  大丈夫かな?  夕方、母親が帰ってきて事情を話し、僕が弁当を作る件とか、食材の件とか、一応了承を得る。  しかし、問題が発生。  弁当箱が3つしかないというのだ。  明日のためだけに、わざわざ買いに行くのもどうかと思い、自分の分はあきらめるて、購買でパンでも買うことにする。
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