雑司ヶ谷高校 執筆部
篠山城(日本100名城 No.57)と明石城(日本100名城 No.58)
 起床。  今日は2つお城を巡る。篠山城と明石城だ。  この2つは山城でないということで、今日は山登りはないということだ。助かる。  少々早い時間の出発となっているので、さっさと旅館の朝食を取る。  出発の準備が終わると移動開始。  地下鉄、JRを乗り継いで、約1時間半。篠山口駅に到着。  そして、篠山口駅からはバスで約20分。篠山城に到着した。  篠山城跡は、お堀と石垣に囲まれ、綺麗に整備されている。  篠山城。  1609年に徳川家康が松平康重に命じて築城させた。縄張奉行に藤堂高虎、普請奉行に池田輝政が務めた。  明治以降、二の丸御殿の大書院のみ残されたが1944年に失火で焼失。  2000年に大書院は復元された。現在、大書院は一般公開されている。  だが、年末は休館日となっているので、今回はお堀と石垣のみを見学。辺りをぶらぶら散歩する。  休館日とは、折角、来たのに勿体ないと思うが。まあ、しかたない。  僕は、もともとさほどこだわりがないので、あきらめも早いのだ。  伊達先輩によると、年末年始には休館日になっているお城も結構あるという。  ちなみに、篠山城は織田信長を題材にした2023年公開の映画「レジェンド&バタフライ」(木村拓哉、綾瀬はるか出演)の撮影が行われた場所だという。  付近をぶらぶら散歩したら、早めの昼食を食べようということになった。  近くのJAが経営する「特産館ささやま」で、丹波篠山牛のハンバーグを頂く。  ◇◇◇  さて、お次は、明石城だ。 「特産館ささやま」からバス乗って篠山口駅に戻り、JRに乗り込む。  尼崎駅で乗り換えて明石駅まで。約1時間45分の移動。  明石城は、駅からも見える駅チカのお城で助かる。  明石城。  1617年、第2代・将軍徳川秀忠の命令で、小笠原忠真が築城。  1874年、廃城令により廃城。  その後、明治時代に巽櫓と坤櫓が修理され残っているが、他の本丸などは取り壊された。  大正時代に、明石公園として開園した。  現在は、巽櫓と坤櫓は特定日だけ一般公開されているという。  公園は広く、野球場や陸上のトラックもあるような広さ。  辺りは家族連れで、かなりにぎわっていた。  僕らは、公園を進んで、さらに階段を上って天守台に。  ここは、かなり広い天守台だが、天守閣は作られなかったという。  巽櫓と坤櫓も近くから見学して、再び明石駅に戻る。  明石と言えば、“明石焼き”を食べたいということになり、駅にある飲食店で明石焼きを食べることなった。  明石焼きは、たこ焼きに似ているが、ダシ汁につけて食べるのが大きな違い。  今日は、食べてばっかりだな。  明石焼きを食べ終えると、大阪の旅館に戻る。もう、陽が暮れて来ていた。  ◇◇◇  さて、これから雪乃の誕生日のサプライズパーティーをする。ということで、伊達先輩は適当に理由をつけて、ケーキを買いに出かけてしまった。  残りのメンツは部屋でくつろぐ。しばらくすると上杉先輩が僕に絡んできた。 「ねえ、マッサージしてよ」 「へ? マッサージですか?」  突然、言われたので、僕は少々驚いた。 「そうそう、連日歩きぱなしでしょ? 足がかなり疲れてきたからね」  上杉先輩は畳の上にうつ伏せで寝転がって言う。 「じゃあ、ふくらはぎを中心にお願いね」  そうだった。忘れていたが、奴隷状態は続いている。命令は聞かないといけないのだった。  しょうがないので、僕は言いなりになって、上杉先輩のふくらはぎを揉み始めた。  それを見て雪乃が尋ねる。 「純也、いつまで奴隷やるんだっけ?」 「1月の初めまでだよ」 「ふーん」  雪乃は、ニヤつきながら上杉先輩に尋ねた。 「上杉先輩! 前、廊下で散歩している時に、私にも散歩をやらせてくれるっていいましたよね?」 「うん」  上杉先輩は僕のマッサージを受けながら、うつ伏せのまま答える。 「散歩だけじゃなくて、もっといろいろやっても良いですか?」 「うん、いいよー」  おいおい、もっと、いろいろってなにをやらされるんだ?  そこへ、毛利さんも割り込んで来た。 「あ、私もやってみたいです…」  なんだと?! 毛利さんまで?! 「うん、いいよー。じゃあさ、奴隷最終日は織田さん、その1日前は毛利さんに貸してあげるよ」 「ありがとうございます!」  織田さんは嬉しそうに礼を言った。  僕の意思はよそに、奴隷の貸し借りが成立した。  雪乃は過激なエロいことをやって来そうだな…。  毛利さんは予測がつかないな…、クリスマウイブに彼女を振った復讐をされたらどうしよう、とか絶望を感じつつ、マッサージを続ける。  上杉先輩のマッサージが終わると、上杉先輩の命令で雪乃と毛利さんのマッサージもやらされた。  そうこうしているうちに、伊達先輩が部屋に返ってきた。  手に持っていたケーキの箱を置く。  そして、歴史研のメンバー一度は唱和する。 「織田さん、誕生日おめでとう」 「ありがとうございます!」  織田さん、嬉しそう。 「誕生日は冬休みだから、あまり友達にも祝ってもらうことは無かったので、嬉しいです」  喜んでもらえてよかった。  箱を開けると小さなホールケーキ。  手際のよい伊達先輩は旅館でナイフを借りていて、それで切り分ける。  改めてジュースで乾杯して、ケーキを食べ始めた。  僕も忘れずに、妹が選定して僕が購入した夢の国のキャラクターの小さなぬいぐるみが入った袋を渡した。 「これ、プレゼント」 「おお! ありがとう!」  袋を開けて、中身を確認する。 「これ、好きなキャラクター!」  よかった。妹に感謝だな。  雪乃はぬいぐるみを抱きしめながら言う。 「いつも、クリスマスと誕生日は一緒にされるから、すごく嬉しいよ。これ、純也だと思って、大事にするね」 「お、おう…。喜んでもらえてよかったよ」  そんな感じで、夜は更けていった。  ==============================  篠山城の情報  https://withsasayama.jp/osyoin/  明石城の情報  https://www.akashijo.jp/
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