雑司ヶ谷高校 執筆部
郡山ライブ
 ホテルからバスで移動して郡山駅まで。  さらに郡山駅から徒歩数分の距離のライブハウスまでやって来た。  O.M.G.と僕は会場の中に入り、今回のライブイベントの主催者の人に挨拶する。  真帆たちは、いつもと同じようにセトリ表を書いたりして準備。  楽屋に行って衣装に着替えるというので、僕は客席でやることもなく、ぼーっとしていた。  ライブハウスのスタッフとが準備をしていたり、他の出演するアイドルのリハなどを見学している。  今日のライブも、複数のアイドルが出演する、対バンライブ形式だ。  地元や東北で活動しているアイドルがほとんどのようで、リハをずっと見ていたが知らない主演者ばかりだった。  O.M.G.のリハも終わり、しばらくして開場時間となった。演奏開始まではまだ少し時間がある。  お客さんが、ちらほら入りだしたので、僕は会場の隅に移動して邪魔にならないように、おとなしくしている。  少し時間も経って、お客さんもまあまあ入って来ている。  もうすぐスタートとなったところで、声を掛けられた。  振り向くと、なんと歴史研のメンバー全員が立っていた。 「来たよ!」  上杉先輩は嬉しそうに挨拶してきた。  僕は、まさか彼女たちが来るとは思わず驚いた。 「えっ?! 来たんですね…」  お城巡りの移動とかで疲れているだろうに、ご苦労なことだな。  伊達先輩も話しかけてきた。 「武田君がどういう事をしているのか興味あっらたから、みんなで見に行こうってことにしたのよ」 「どうせ、夜は暇だしね」  上杉先輩は手にしたドリンクを飲みつつ言う。 「僕がやるのは物販の手伝いなので、終わるまで見てるだけですよ」 「オタ芸とかやらないの?」 「僕は、やりませんよ…。観客じゃあないので…」 「ああ、偉いプロデューサー様だもんね」 「いやいや、プロデューサーは名ばかりで、タダの雑用ですよ。生徒会の副会長と一緒です。だから、偉くありません」  毛利さんが近づいてきたので、僕は話しかけた。 「結構、大音量だからびっくりするよ」  それにしても毛利さんとライブハウス、ぜんぜん合わないよな。場違い感が半端ない。伊達先輩と上杉先輩もそうだけど。  そして、スタートの時間となったので、最初のアイドルのパフォーマンスが始まった。  そして、つつがなく次々と順番が進み、いろんなアイドルが歌ったり踊ったりしていった。  上杉先輩は他の観客に交じってオタ芸の物まねを見よう見まねでやっている。  なんか、楽しそうにしてる。  伊達先輩と毛利さんは、大人しく見ている。  最後にO.M.G.のパフォーマンスでイベントは終わった。  あとは物販タイムを手伝って終了した。  上杉先輩はノリノリでO.M.G.の物販で真帆とチェキを撮って、ご満悦のようだった。  真帆となら後でスマホで一緒に撮ってもらえばいいのに、と思いつつ物販の手伝いを続ける。  物販は結構売り上がった。  チェキもTシャツもタオルもアクスタもまあまあ売れた。  お客さんは東京からの追っかけもそれなりにいて、今までのライブで会ったことのあるオジサンたちが結構いた。  それにしても、O.M.G.って人気あるんだなぁ。  歴史研のメンバーは、先にホテルに戻ると言って、去って行った。  夜9時過ぎ。  物販も終了して、後片付けを済ませて、ライブハウスを後にした。  明日のライブも会場はここなので、また来ることになる。  バスで移動して、ホテル近くのコンビニで晩ごはんを調達して部屋で食べることにした。  昼ご飯を食べてから結構時間が経っていたので、お腹が空いていた。
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