お父様、お母様、お元気でいらっしゃいますか。今日は同僚の話をしたいと思います。同じフロントの紫花さん。彼、とっても面白いんですよ。
彼、霊感のがないみたいで私の姿が認識できないみたいなんです。
このホテルは支配人、副支配人のように霊とも普通に話せる人もいれば見えるだけの人、特定の条件下のみ見える人など色んなパターンの人達がいます。
その中でも彼、ほとんど見えない側なんですけど、フロントで霊になってる彼女がチェックインするのを待ってるんです。
時々、私にも気を使ってか話かけているんですけど何故かいつも私のいない方に向かって話してて。
笑っちゃいけないんですけど、あまりに真面目に話しているものですからついそのまま見ていることもあるんです。その様子を彼女…あぁ、そう、紫花くんの傍にはいつも守護霊さんみたいな可愛らしい女の子がいるんですけど、それを見て呆れていて、なんだか微笑ましいなって思うんです。
けど、守護霊さんの事は紫花くんには絶対に秘密なんです。
だって彼女、紫花くんの探している見月ちゃんなんですもの。
早く気づいてくれたらいいなぁって思うんですけどなかなか難しそうなので私はいつもがんばれ!がんばれっ!って応援しているんです。
他にもこのホテルには沢山の知らない事や楽しい方が毎日やってきます。私は今まで経験できなかったことが出来て今とても楽しいです。
このことを早くお父様やお母様にお伝えできたらどんなによかったか…そう思います。櫻子は早く…会いたいです。
ではまた。
櫻子