ある日…
やつが帰ると、妹がぐったりしていた。
その時はまだ意識はあったんだが、怪我がひどくてな。すぐに寝かしてやったんだ。
子供であろうが、何があったかぐらいは容易に理解出来る。
とりあえず元気でさえいてくれれば……
そんな願いも虚しく、次の朝…
妹が目覚めることはなかったよ。
うがああああぁぁ……
やつはキレちまった。
その後…その身内をな。
小さい妹の骸を抱いて、町を去って行くやつの姿を見た者がいたよ。
顔にはでっけえ切られ傷を負い…
そしてそれを泥と血と涙で汚れた服で拭いながら……