な…なんだ……あれは…
二人とも言葉にならんかった。
そらそうやろな…
お父さんは、炎王の攻撃を一回も避ける事はなかった。
あれで人間が動けるもんなのか?
お父さんはもう瀕死くらいの状況なんやろう。
それでも平気な顔して…
炎王の頭だけ、ひたすら斬り刻む。
すると…
血が霧のようにお父さんを囲み……
刀の太刀筋が見えなくなった。
こ…これは…気刃の…
昔話の中の技だろ…
ああ……間違いねえ…
す…すげえ…
ウオオオオオォォン…
やがて…
炎王龍の動きが止み…
朧火は…
その炎を消した。