炎王の頭はもう、原形がわからんくらい…
ズタズタやった。
やっと…やっと……
お父さんは…
積年の恨みを果たしたよ。
でもな…
それは同時に…
生きる理由を失う事。
狩人達はどうしても聞きたかったんや。
あの炎王龍をたった一人で、しかもあんな短時間で倒したんやからなあ。
あんた……あんたの名前聞かせてくれ!
…………
お父さんが答える事はなかったよ。
優しい顔をして…
にこっとしただけ……
そして一礼したかと思うと…
溶岩の中へ歩いていったんや。
世に残してはならん妖刀と…
あの日買った子供達の土産と…
家族を守れなかった自分自身を葬るためにな。
溶けてゆく一人の男は…
空を見つめ…
またにこっとして…
何かを話しながら死んだという……
ただいま…