狩人なんて言うてもの。
そのころはまあ……
せいぜい鹿や猪なんかを狩るくらいでの。
そんな獲物を探しながら、ぶらぶら山を歩いておる時じゃった。
親からはぐれたんじゃろうのう。
小さい猫みたいなもんじゃ。
ナウ……ナウウ……
赤い躯をしてのう、まだひ弱な角も生えておったんじゃ。
足にまとわり着いてくるので困っての……
狩人はそれがどんな奴の子供か知るはずもなく…
そのチビを飼う事にしたんじゃよ。
その優しさが……
悲しみをも呼んでしまったんじゃ……