あんときも……
赤毛は血まみれの奴に寄り添い…
一生懸命、傷をペロペロ舐めてたよ。
もう行け……
それが奴の最期の言葉だった。
人間など勝手なもんだ。
けどな、赤毛は人間が大好きだ。
そんな赤毛が、心を失わないように。
恨みつらみの類いで、綺麗な心を汚さぬように。
そして、もうお前は人間とはいられない事を……
奴は……
最期に教えてやったのかも知れないなあ。
この人間以上にお人よしの…
馬鹿で可愛いい、最高の弟によお…
ウオオオン……
ああ、確かに俺はみた。
去り際にな…
赤毛が泣いてたんだ。
目にいっぱい涙をためてなあ……