男ばかり飽きたでしょ?
次は私が話してあげるわ…ふふ…
その子はねえ。
本当に綺麗な顔してた…
女の子見たいなさ。
かなり好きだったかもしれないわあ…私…
黒く、長い髪で…
切長の澄んだ眼。
完璧だと思うでしょ?
でも…その子…
音と…気配と…匂いの中で人生を送ってた。
その使い物にならない眼でさ…
あの角竜に何を見てたんだろうね。
ずっとあの黒の双角を…
その心に引きずって生きてたんだ。
私は…
ただ…ただ見守るしか…出来ないでいたよ。
情けない話だけど…