才蔵ちゃんねる
三話
そして夜に出発した。 奴らは、昼活動するのが多いと聞いたからね。 竜に昼も夜も、あんまり関係ないんだけどさ。 ドオオオォォン! 地雷のような爆発音と共に… 奴は現れた。 馬車は引っくり返り… みんな外へ投げ出されたの… 妹の一人とお母さんは、もう直撃でね。 足が砕けて使い物にならなかったんだ… 耳が潰れるような… 奴の咆喉と同時に… 非情な突進を、倒れた馬車に… も…もう… 私は言いたくないわ… あまりに無惨だから… 黒の双角が去った時。 妹に空いた大きい穴… お母さんとお父さんの潰れた体… 30メートル向こうの… もう一人の妹… 彼は、怒りと悔しさと……悲しみでね… 本当の血の涙を流す。 骨などバラバラなのに体を引きずってね。 これが彼の過去よ。 別れも何もする暇もなく… 家族の死を背負ったの…
ギフト
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