後はもう、やられ放題だったの…
気配とかなりの場数の経験で……何とか…
もってたのかな…
でもね。
彼…
私をチラッと見たの。
眼も耳も使えないはずなのにさ……
ニコッとしてね。
ううおおおぉぉおおあああああああ!!
そのすぐ後…
突進をあの細い体で受けとめたのよ。
あの黒角竜がさ…
動けないんだよ?
壁に刺さった時のようにさあ…
彼に受けとめられ、必死にもがいてんのよ…
あの子は串刺しのまま…
両手を高く上げ…
また眼を赤く染めてね………
蒼剣を奴の頭に刺し込んだ。
まるで…
人形が子供に振り回されるかのようにね…
彼は飛ばされて…
もう…虫の息だったけど私は…
たまらずに走ってたわ…