妹も必死に抵抗してました。
自分だけはまだ情けなく…
その時でした。
あの長くデカい足に、妹はぶち当たり…
片手がブラブラともう…
あいつ、キレると口の横がつり上がるんです。
で、笑ったように見えてね。
ブチ…
なあ…
俺らの秘密基地覚えてるか?
落書きしたり…
お菓子くったり…
楽しかったなあ。
こんな時に何言ってんだ?
自分は怖くて怖くて…
妹もやられて、もうダメだって。
でもあいつ…
言うんです…
ブチブチ…
頭わりいから、俺勉強したことないけどな…
こんな事になんなら、勉強しとけばよかったな…
ブチ…
戦意喪失して、あの頃のように情けない自分に…
あいつは見せてました。
独りで。
キレて無茶苦茶な所をじゃない…
今なら…意味が分かります…
ドオオオオォォオオン…
土煙りが…
剣を高く上げた、あいつの姿を映したように見えました…
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