おねえ…
すまねえんだが、コイツを頼まれてくれねえか?
酒場でね。
可愛く遊ぶ子供を見つめながら、あいつ私にそう言うの。
紅龍ね?
真剣な感じでね、首を縦に頷けて頼んできたんだけどさ。
でも子供を抱きかかえる顔が、もうお父さんしてたよ。
あの時、あの紅龍に向かって塵になっていった狩人達の…
その中の一人の男の話。
何百年も昔の話だからさ。
もうその子供もいないんだけどね……
あの瞬間から…
あの子は私達の、最初で最後の子供になった。