その紅龍が復活した時代はね。
町や村へ行くたびに、人間の惨殺現場に出会う。
紅龍が食い散らかした後のね。
あいつも、そんな現場を幾度となく目にして来たわ。
そんな中、ある村へ着いた時だった。
この村もまた…
酷い有様でね…
諦めていたその時…
キャ…キャッ…
どこからか、赤ん坊が笑ってるような声がしてね。
走って行ってみたの。
お母さんなんでしょうね……
首しかなかったらしいわ……
その首は赤ん坊の方を向いていてさ…
まるであやしてるかのような、優しい顔をしていたの…
俺に…
託してんのかな…
そんな気になったって言ってたわ。
独りもの同士。
赤ん坊とも、妙に気が合う感じがしてね……