ある街の近くに来た時…
遠くから人の叫び声と共に…
邪龍の咆哮が空気を揺らしていた。
おい、ここから動くな。
わかったな?
何で?嫌だ!
俺はちょっと…
悪人に戻るからよ。
トニーは街へ走り出し、やっと紅龍と初めて出会う。
ははは…
こりゃ…あの…
あのじじいが勝てねえわけだ。
食っては捨て…
食っては捨てを繰り返すうち…
紅龍は、嫌な人間を見つけた。
たまに感じる、嫌な人間の気配。
確実に消さなければならない…
この感じ…
悪人と悪龍か。
考えたもんだな。あのじじい…
ハハハハハ!!
キン…キン…
キキキキキキン…
どこかで無理矢理取り上げた、この青龍刀。
狼と彫ってある、その剣の雰囲気は…
まさに悪人が持つにぴったりだった。
ブチ…ブチ…
てめえ…それ…やめろ…
殺すぞ…
トニーはのう。
紅龍がたまにする、旨そうに舌を出す…あの…
あの、人をナメたような態度が大嫌いじゃった。
ブチ…ブチ…
ブチィィィ!!
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