才蔵ちゃんねる
二話
グウウウウウゥゥオオオオォォアアァ…… 天を裂く叫びが合図となり… 刹那、男は跳ぶ。 例えるなら、狂の一文字。 刀を縦横無尽に疾風らせる。 キン…キキキキキン… キキキン… 魔王は、その強靭な鱗を盾とし… 余裕の表情を浮かべていた。 それがどうしたと言わんが如く、男は斬撃を繰り返し繰り返し…… 火花はまるで花火のように、宙を飾り続ける。 ズウゥオオン… 少しずつ頭に刄が届き出し… そのたびに、魔王の血が自身に降り懸かっていた。 弱みを握られ、魔王はやっと本気になる。 鼠ごときに。 その怒りであろうか、自身の不甲斐いなさか… 魔王は怒りを現わにし、その躯をほのかに紅く染めてゆく…… .
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