才蔵ちゃんねる
五話
あの人は、上位の頃ね。 ここぞという狩りの時には… 鎌蟹から造った、綺麗な真っ青の鎧を纏いました。 でも、その時は必ず怪我をしてね。 だから私は、あの鎧を纏うあの人の姿が大嫌いでした。 鎧なんか意味ないじゃない!なんて… 当時はよく、八つ当たりをしたのを覚えています。 今思うとね。 あの鎧を纏っていたからなんですよね。 大事には至らない程度の怪我で済んでいたのは… 今はもう下層になって、鎧が必要な時も、纏う程の狩りもなくなったのに… 毎日埃を拭い、磨き上げるあの人。 そこでされると邪魔だと、邪見に言葉を吐いた事もありました。 ごめんごめん… 申し訳なさそうにはにかむ、あの人の顔。 私は一生、忘れられそうにありません… .
ギフト
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