才蔵ちゃんねる
一話
そこのそいつの話か。 お前、大丈夫か? 情報量が少な過ぎるんじゃねえか? 長年、看守をやってるが… あんな野郎は初めてだった。 猟奇殺人でも、連続殺人でも、狂った変態でもねえ。 殺しが趣味な奴も大勢いる。 恨みによる殺しなんか、昔から無くならねえ。 最近じゃ、天才的な頭脳を持つ奴らもいるからな。 映画見たいなよ。 だが奴は、どれにも当てはまらない男だ。 殺しの仕方も、過去にやられた事はもちろん… 人間が考えられる全てを、やり尽くしたんじゃねえかな… でも、普通だった? だから胸糞悪くなるって言ってんだ。 そんなにあいつを知りたいなら、この録音テープを聞け。 あんたみたいなインタビュアーが、殺される寸前に録ったものだ。 楽しんでる雰囲気じゃない。 こんなもん… もうあんたにくれてやるよ… さあ、俺は見回りの時間だ。 後はごゆっくり。
ギフト
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