私には夢があった。
何よりも大切で、自身を突き動かす原動力で、何よりキラキラと輝いていた夢だ。
しかしながら、私の夢は叶わなかった。
叶わない夢だったのだ。
私の夢は手の届かない月や星と同じ存在だった。
夢は魔物だ。モンスターだ。
希望を見せつけるだけ見せつけて、人を魅了する。
手が届くそう思わせておいて、届くことは叶わない。
私にとって夢とはそう言うものだ。
しかしながら、いつまでも心に入り浸るのが夢という悪魔のやり口で、いつまで経っても夢を諦めさせてくれない。夢に向かうことをやめさせてもらえない。
ああ、私からの本生の願いだ。
誰か私の夢を食べてくれ。