有原悠二の小説、詩、絵など
なにもない
指と指のすきまに きみの影をみた 雲のすきまに なつかしい面影を 死のしゅんかん そうだといい だれかの後すがたでも おもいだせたら にちじょうは不規則はがめんのなかで このほしから人間をけしていく おもうことがそんざい理由だとしたら ぼくはさいきんきえ続けている ちきゅうの上からひとがきえている だれかがさけんだその声も おぼえたての新鮮なことばだって 死のまぎわにゆめをみる きみはだれ ここはどこ ぼくはだれ それはなに 石をみる 空をきく 手をのばす 空間になにもないことを たしかめる なにもないことを 切りさくように 手をうごかして なにもない なにもない ここにはなにも だからぼくらは それでいい
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