ぼくは世間の声に怯えている
医者は薬を飲めといい
親は勉強をしろといい
テレビは独立を推奨しながら
そのための時間を際限なく奪っていく
難しいように思う
信じたいものを
信じたいように
信じるということは
見えている空が
本当にそこにあるのかどうかさえ
誰かの意見が必要だなんて
このままだと
ぼくの二つの目の玉は
本当にただの節穴になってしまうそう
で
今目の前にいる妻の顔すらも
誰かに確認しないといけないのではと
つい不安になってしまうのだ
なに
間違えるもんか
ぼくが信じて付き合ったんだ
自由に
誰にも聞かずに
だから堂々と
ぼくは彼女と一緒に町を歩ける
手だって繋げるし
二人並んで星空を見上げることだって
できる
ある日娘がテレビを見ながら
なかなか風呂に入らないので
妻に怒られていた
その後ろ姿に
なにかを信じずにはいられないぼくは
今度この子に
星空の楽しみ方を教えようと思う
誰にも邪魔されずに
この世界は信じるに値する美しいもの
だと
例え世界からは信じられなくても