WINGS特別編 『side MOONLIGHT!🌙 ~夏祭り~』

(作者より)
夏の特別企画として投稿した特別編、『side MOONLIGHT!🌙 ~夏祭り~』です! お祭りデートを楽しむ江助と明菜ののエピソードとなっております! 物語の最後には、パタテ氏描き下ろしの特別イラストも……!
ぜひご覧下さい!

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江助「うっわぁ……すんげぇ人来てんなぁ……。 まぁ、この辺で一番規模デカいお祭りな訳だし、仕方ないか。
 それより……時間はピッタリぐらいだよな。 明菜のヤツ、鳥居の近くで待ち合わせって言ってたけど……」

明菜「……あ! おーい、先輩こっちですよー!♪」

江助「ん? おぉ、明菜! 良かった~、この人だかりだから見つかんないかと思ったぜ……」

明菜「いやいや、そこはほら、『これだけ沢山の人の中でも、お前のことはすぐに見つけ出してやるぜ』って言ってキメるところじゃないですかぁ~」

江助「俺そんなキャラじゃないっつーの……。 ほら、無事合流も出来たことだし、早速行こうぜ!」

明菜「あ! ちょっと待って下さいっ!」

江助「ん? どうかしたのか?」


明菜「お祭りに行く前に、私に言うべきことがあるんじゃないですか?(チラ、」

江助「言うべきこと……? 何かあったっけ?」

明菜「あぁ~もうっ、本ッ当ニブいですよね先輩は……。 浴衣ですよ浴衣! 私の浴衣姿、ちゃんと褒めて下さい!」

江助「え……あ、あぁ! そっか、そうだよな、悪い……。
……ぅえ~っと、その……す、すっげえ似合ってる!」

明菜「もっと具体的に」

江助「えぇ……。 え~っと……いつもは、ほら、制服だけであか抜けた感じだけど、今日の浴衣は、こう……赤い金魚の柄が可愛くて……落ち着いた感じの可愛さというか……」

明菜「それでそれで?」

江助「その……ちょっと、ドキドキはする、かもな……」

明菜「へぇ~……? ま、及第点ですかね~。 本当ならもっとトキめかせられる一言を要求したいところですけど♪」



江助「か、勘弁してくれよぉ……今のでも結構恥ずいんだからさぁ」

明菜「ふふん、そうやってしおらしくなっちゃってる先輩も見れたことですし、私としては満足です♪ 
 ……さ、それじゃ行きましょっか、せーんぱい♪(ギュッ、」

江助「うぉわっ!? ちょ、引っ張るなって! 明菜~っ!」

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明菜「わぁ~、かき氷に焼きそば、スーパーボールすくい、射的も! 出店のバリエーション結構豊富なんですね~」

江助「神社だけじゃなくて、この下の広場にも屋台は出てるからな。 ……っていうか、自分だけ褒めさせといて、俺の格好への感想は無いのかよ?」

明菜「え~? だって、デートで女の子の服を褒めるのは男の子の義務ですよ? それに先輩のは……正直言ってあんまり似合ってないですし」

江助「えぇっ!?(ガーン うぅ……あんまりだ……」



明菜「なーんて、冗談ですよ。 いつも以上に男らしく見えますし、とっても格好いいです♪」

江助「え、そ、そうか? いやぁ~なんかそんな風に言われると照れるな~……♪」

明菜「ふふっ、本当に先輩は単純で可愛いですね~……♪
 …………あ(ピタッ、」

江助「……? どうしたんだ? 急に立ち止まって……」

明菜「……先輩、下の広場の出店見に行きましょう♪ 私、なんだかお腹空いちゃいました」

江助「は? いや、食べ物だったら別にここら辺の屋台で買っても良いんじゃ……」

明菜「いいから! ほら、さっさと下行きましょーよ!」

江助「いや、でも……。 ……って、ちょ、待てって! 押すなってば! 急にどうしたんだよ~!?」




江助「ハァッ、ハァッ……明菜、どこまでいくつもりだよ。 もう広場抜けちまうぞ?」

明菜「おおっと、行き過ぎちゃってました。 すみません先輩、じゃー気を取り直して出店見て回りましょっか♪」

江助「あ、あぁ……お腹空いたんだっけ? 何か食べたいモンとかあるか?」

明菜「そうですねぇ……たこ焼きを買って、先輩がフーフーしてからあーんしてくれる、っていうプランはどうですか?♪」

江助「なっ!? そ、そんな小っ恥ずかしい事無理だっての!!(カァァ、」

明菜「そんな……恋人同士なのに、恥ずかしいから無理だなんて……先輩、私の事本当は嫌いなんですか……?(ウルッ、」

江助「うぐっ……そ、そういう訳じゃないけど……! ……わ、分かったよ! たこ焼き買ってきてやるから!」



明菜「わーいやったー! 先輩だーい好き♪(ギュッ、」

江助「調子良いなぁホント……じゃあ、向こうの店で買ってくるから、この辺で待っててくれるか? ……あ、もし何か自分で買いたいものとかあったら、買ってても良いけど」

明菜「あぁ、大丈夫ですよ。 お祭りの出店なんて、どこもただのぼったくりじゃないですか。 あんなので私の貯金無駄にしたくないですし、今日は先輩にぜーんぶ奢ってもらうつもりで来てるんですから♪」

江助「あはは……いつも通りだな。 ……んじゃ、そこでちょっと待っててくれ(タッタッタッ、」

明菜「はーい、なるべく早く戻ってきて下さいねー♪ 

 ……さてと。 さっきは危なかったなぁー……。 ま、下の広場まで来れば、流石にもう大丈夫だろうけど……っ!?」


絵美里「うわぁ……上にもたくさんありましたけど、こっちにもいっぱいお店が出ているんですね……!」



翔登「去年もここまで多くなかった筈だから……毎年どんどん増えてるのかもしれないな」

詩葉「お店も多い分、人も多いわね……皆、途中ではぐれたりしないように、なるべく固まって行動しましょう」


明菜「(あいつら、また……!)」

江助「おーい! たこ焼き二パック買って来……」

明菜「ッ……!(グイッ、」

江助「のわっ!? おい、どうしたんだよ!? てか引っ張るなって! うわっ、熱ちちちち! たこ焼きがぁ~……!」

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明菜「ハァッ、ハァッ…………」

江助「うぅ、途中でたこ焼き落としちまったぁぁ……しかも、なんか暗い畦道に来ちまったし……。
 ……なぁ、さっきからどうしたんだよ? 何か変だぞ?」



明菜「…………居たんです」

江助「へ……?」

明菜「居たんですよ! あのツンツン頭のクソ野郎たちが集団で! 折角今日はアイツらの事考えずに、江助先輩と夏祭り楽しめると思ってたのに……!」

江助「ツンツンって……もしかして、翔登たちの事か?」

明菜「そうですよ! 嫌なんです、アイツらと一緒に居るのなんて! もし鉢合わせたら、先輩はきっとあっちのグループに混ざっちゃって、私一人になっちゃうし……それに……」

江助「それに……?」

明菜「…………私だって、あの人たちのこと邪魔しちゃうかもしれないですし……」

江助「明菜…………」




明菜「私……あの人たちに散々嫌なことしてきましたし。 ……私が雰囲気ブチ壊されるのと同じように、多分、私もあの人たちの楽しい空気ブチ壊しちゃうと思います。 ……だから、鉢合わせたくないんです」

江助「…………」

明菜「あぁ~あ! ま~たアイツらのせいで私の計画台無しになっちゃったなぁ~。 なんかもう興醒めしちゃいましたし、もう帰りますか! ここでお開きに━━━━」

江助「…………大丈夫だよ、もう無理すんなって(ギュッ、」

明菜「……な、何やってるんですか? ちょっと抱き締めるだけで女の子が機嫌直すと思ったら、大間違いですよっ……!」

江助「そうじゃなくてさ。 さっきのは多分、両方とも明菜の本心だろ? 自分のことも大切にしてるし、翔登たちのことも気にしてくれてる。 ……なんか、明菜がちょっと成長してくれたんだなって思って、嬉しくてさ」



明菜「……子供扱いしないで下さい! 私なんて、ただの我が儘な女の子なんですから……!」

江助「そんな事ないって。 それに、心配しなくても大丈夫だよ。 俺は翔登たちの所に行ったりしないから」

明菜「……?」

江助「昨日のうちに言っておいたんだよ。 『俺は明菜と一緒にお祭りに行くから、皆と一緒には行けない』って。 それと……『俺たちは二人で楽しむから、出くわしても邪魔するなよ』って、ちゃーんと釘も刺してある」

明菜「先輩……」

江助「だから、大丈夫だ。 今日一日、俺はずっとお前の傍に居るし、アイツらもちゃんと分かってるからさ。 
 ……後、俺が明菜と一緒に祭りに行くって行った時、誰も文句なんて言わなかったぞ? 多分、皆もうお前のことちゃんと受け入れてるよ。 腫れ物扱いなんかしてねぇって!♪」

明菜「う、うぅっ……ズルいです、最初から分かってたくせに、こんな……っ!(ギュッ、」



江助「あはは……明菜がそんな事考えてたなんて知らなかったからさ。 でも、もう安心して大丈夫だよ。 今日は俺とお前だけのデートなんだからさ」

明菜「っ……!」

江助「ほら、早く祭りの会場に戻ろうぜ! 途中でたこ焼き落としちまったから、また買い直さないとだし」

明菜「……全く、いつもは鈍感でバカな癖に、こういう時だけ素直で優しいんだから……」

江助「ん? 何か言ったか?」

明菜「……何でもないですよ。 今さっきの台詞は、トキめかせポイント高いなって思っただけです♪」

江助「えぇ!? 俺、もしかして大分クサい事言った……?」

明菜「えぇ、とっても。 ……でも、すごく嬉しかったです♪」


━━━━━ヒュゥゥゥ~……、パーンッ!!



明菜「あ、花火……」

江助「うわ、マジかよもう始まったのか! 早く戻らないと、ベストポジションが埋まっちまう……!」

明菜「……嫌です。 私、今は先輩とゆっくり歩いて戻りたい気分なので(ギュッ、」

江助「え、あ、明菜……?」

明菜「お祭りが終わるまで、まだたっぷり時間ありますし……もうちょっと、私の我が儘に付き合ってくれませんか?」

江助「……そうだな。 今日はとことん付き合うぜ!(ニッ、」

明菜「ほら先輩、畦道に花火の光が反射して綺麗ですよ♪」

江助「おぉ、本当だ……って、お前全然下見てねぇじゃん!」

明菜「あははっ♪ 本当、先輩はバカで単純で素直なんですから。 ……大好きです、江助先輩っ♪」

 おしまい