sadojam 小説
プロローグ.3
トンネルの出口を抜けると横幅3メートル位の吊り橋。橋の長さは15メートル程だろうか。吊り橋の下を覗いたが底が見えない位の深さの堀(ホリ)。 ただそれ以上に驚いたのは橋の向こう側に10000人はいるだろう人間、もといノーマンが待ち構えていた事だった。 自由になったはずの囚人は再び無言で橋を渡った。 橋を囲むように1000人がじっと囚人達を見つめる。 真ん中に赤いニット帽をかぶったアフリカ系の褐色肌の男。近付いてくる。痩せてるがまるで筋肉の鎧を着たような男だった。 その後ろを更にガタイの良い男が5人近づく。 5人の手には分厚いナタや重たいハンマーなどの鈍器が握られていた。 それぞれ凶暴な獣のような雰囲気を発し、明らかに友好的な態度ではなかった。 囚人達はたじろいた。 赤いニット帽の男が近寄り言った。 [俺の名前はJだ。これから面接をする。反抗するヤツには死しかない。分かったか] 威圧的で有無を言わせない口調。 囚人の1人が叫ぶように言った。 [ふざけんじゃねぇ。なんだってんだ一体?] その瞬間、ナタが飛んだ。 叫んだ男の顔にナタが命中。ナタは顔にめりこみ、顔面から血を吹き出しながら前のめりに倒れた。 そいつは二度と叫ぶ事はなかった。 そう、ここはもう人間の世界ではなくノーマンの世界。
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