sadojam 小説
南極ユーリ保護地区.5
ユーリ保護地区の施設にはイスや机は1つもなかった。全て薪となり灰になった。 ここ数年間の徒歩による調査で2000人以上のノーマンが亡くなったが、約30キロ先に岩場がある事を発見。 片道10時間は歩かないと行けない場所である。 その岩場の隅々に生えているコケを夏の間に採集。干して外に出れない2ヶ月分の燃料としている。 夏といっても気温はマイナス10度以下である。 何より太陽と雪の反射により紫外線の放射量が多く、雪上生活に適応出来なかったノーマンは目の角膜を焼き失明する。 他にも、凍傷による細胞壊死からの病死。 雪の下に隠れてた割れ目(クラック)に落ちて死亡。 ツララが落ち刺さり死亡。 死んだ方が楽という絶望による自殺。 死がいつも隣にいる生活を送っている。
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