ユーリ保護地区の施設にはイスや机は1つもなかった。全て薪となり灰になった。
ここ数年間の徒歩による調査で2000人以上のノーマンが亡くなったが、約30キロ先に岩場がある事を発見。
片道10時間は歩かないと行けない場所である。
その岩場の隅々に生えているコケを夏の間に採集。干して外に出れない2ヶ月分の燃料としている。
夏といっても気温はマイナス10度以下である。
何より太陽と雪の反射により紫外線の放射量が多く、雪上生活に適応出来なかったノーマンは目の角膜を焼き失明する。
他にも、凍傷による細胞壊死からの病死。
雪の下に隠れてた割れ目(クラック)に落ちて死亡。
ツララが落ち刺さり死亡。
死んだ方が楽という絶望による自殺。
死がいつも隣にいる生活を送っている。