sadojam 小説
南極ユーリ保護地区.7
墓標はあらゆる所に立っていた。 どれも雪が付着し、もっこりとした人型の雪だるまとなる。 その墓標には全て意味がある。 クラック(氷の割れ目)近くには、両腕を左右に広げた墓標が順序よく並べられている。 20メートル均一でまっすぐにはるか彼方まで並べられてある墓標の先に岩場がある。 死んだノーマンも貴重な資材となるのだ。 風避けやブリザード(吹雪)避けに、施設の周りに墓標を積み上げる意見も出たが、死体に囲まれて生きる事など、さすがのノーマンでもできなかった。 ドミトリーにとって6回目の地獄を迎える時がきた。 ノーマン人口が半分になる3ヶ月間をこれから過ごす。
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