南極では空気が綺麗なため、どんなに寒くても吐く息は白くならない。
息が白くなるのは空気中に細かなチリやホコリが、吐いた時に出た水分に付着し白く見えるからだ。
…部屋の中で吐く息が白い。空気が汚れてる証拠。
だが空気を入れ換える事は集団凍死自殺する事と同じだった。
鼻や耳がなくなっても、たいがいのノーマンは大丈夫。
だが、目…暗さはノーマン自体を壊すようになる。
何もせずにジッと寝てる毎日が続く。
それは風の音が本当に聴こえなくなるまで。
もしくは永遠の眠りにつくまで続く。
生き抜こうとするノーマンは夢の世界に逃げ込む。
そのまま夢の中に迷って帰って来ない者も多い。
毎日毎日墓標が増産されていく。
トイレと化した部屋に積まれていく。
死にたくてわざと何日も寝ないで、眠くて眠くてたまらない状態でトイレの部屋へ入る者もいる。
精神錯乱になった者もトイレに入れられ、入り口を塞がれる。
数年前に精神に異常をきたした者が、コケの火で寒さを防ごうと自分の身体に火を点け、火事騒ぎがあったからだ。