sadojam 小説
南極ユーリ保護地区.13
関節の節々を痛めながらも除雪作業。 施設に籠(こも)る前に狩ったアザラシやペンギンの肉の解凍と調理。 施設の掃除と、遺体を墓標にする作業。 太陽光発電の除雪と点検と着火。 誰もが文句1つ言わず、決められた仕事を喜々としてこなした。 新鮮な空気を吸える…ただそれだけの事で幸せになれた。 太陽にあたる…当たり前の事が奇跡のように感じた。 生きてるのは素晴らしかった。 発電機が回る音がした。 歓喜の声がひときわ大きくなる。 味付けのない肉スープ。 だが熱いスープがノーマン達をさらに幸せにさせる。 雪で身体と服を洗う。 寒くなったらまた温かいスープを飲む。 ノーマン達は地獄の三ヶ月を生き抜いたのだ。
ギフト
0