sadojam 小説
南極ユーリ保護地区.15
新しいノーマン…少し前まで人間だったノーマンが次々に遺体になり墓標に変わる。 寒さに慣れず、環境に適応できず凍死や自殺で墓標となる。 地獄の三ヶ月を体験する前にだ。 1000人来たら60日も経たないうちに300人は死ぬ。 死ぬ前の新ノーマンから人間世界の情報を知る。 今なお[X-パルス]は発信されてるが全く変化ない。研究も何の意味があるのか、未だ分からない。 肉や野菜が高騰し、お金持ちしか手に入らない状況になった。 味のあるサプリメントが開発…フードサプリと呼ぶらしい。それとフードガムが一般的になってきてる。 [フードガムって?] の問いに新ノーマンは [食べてる感覚が味わえるガムで、唾液分泌促進剤が入っていて、唾液が多く出る。その唾液を呑む事で喉ゴシでも味を味わえるガムだ] と説明をした。 [噛み切れないステーキのようなもんか?] [そうだな。でもチューイングガムやカプセルが食事なんだぜ] 新ノーマンはウンザリした口調で言った。 1回の食事が味気ないモノになった代わりに、タバコ1箱未満の値段で1日分の栄養を買える。 人間世界の話を聞いたからといって、ノーマンの世界にはこれっぽっちも関係ない事だった。
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