sadojam 小説
南極ユーリ保護地区.17
[基地には必ずGPSがあるんだ。衛星電波受信機もある。雪上車両にスノーモービル。運が良ければ飛行機もあるかもしれない] ドミトリーは話を続ける。 [で、クラック(割れ目)の橋作りなんだが…昔のイヌイット達がクラックに木を繋いで橋にしたろ?接着剤代わりに水をかけ、凍らせて木を徐々にずらしながら伸ばしてくやり方さ。木の代わりに墓標で出来ないかな?] 実際にドミトリーは、10メートル程の幅のクラックに、木の橋がかかってるのを見た事がある。 6メートル程雪を掘り、そこから木をずらし重ねてジャバラ状な橋を作る方法。 2メートル程の長さの木を何本か用意する。 次にクラックに落ちない程度に木を1本突き出す。そこに水と雪をかける。そして次の木を少しズラすように、伸ばすようにして木を重ねて置く。水と雪で木と木を凍らせ固まらせて、少しずつ橋を足していくのだ。 えらく時間と根気のいるやり方だが、ノーマンには時間だけはたくさんある。 [墓標をうつ伏せにして頭を手前にして何人か並べて…後は少しずつズラし伸ばしていけば大丈夫だと思う] [墓標はたくさんあるし、人手もいるし可能なんだよ]
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