sadojam 小説
南極ユーリ保護地区.18
ドミトリーの説明にドクターはやっと口を開いた。 [イヌイット族の私はこの雪世界でしか生きられん。たとえ脱出できても行き先はここと同じ世界なんじゃ…] […ドクター。頼むよ] ドクターの消却的な返事にドミトリーは哀願した。 [どこで生きても私には同じ事じゃ。…だがここには私の家族がおらん] [ドクター…じゃあ手伝ってくれるのか?] ドミトリーは言った。 ドクターは何回か深くうなづき、 [やってみる価値はありそうじゃな。ボストーク基地の位置は確かなんじゃな?] [あぁ、間違いない。あそこは人間区域だ。もし人間がいてもノーマンが負けるはずがないさ] 話は決まった。 ドミトリーは仲間を集う為に駆け出した。
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