ドミトリーの説明にドクターはやっと口を開いた。
[イヌイット族の私はこの雪世界でしか生きられん。たとえ脱出できても行き先はここと同じ世界なんじゃ…]
[…ドクター。頼むよ]
ドクターの消却的な返事にドミトリーは哀願した。
[どこで生きても私には同じ事じゃ。…だがここには私の家族がおらん]
[ドクター…じゃあ手伝ってくれるのか?]
ドミトリーは言った。
ドクターは何回か深くうなづき、
[やってみる価値はありそうじゃな。ボストーク基地の位置は確かなんじゃな?]
[あぁ、間違いない。あそこは人間区域だ。もし人間がいてもノーマンが負けるはずがないさ]
話は決まった。
ドミトリーは仲間を集う為に駆け出した。