sadojam 小説
南極ユーリ保護地区.25
太陽が顔を出し始める朝方から、だんだんと風が弱まり、太陽が完全に顔を出した時には、昨日の雪吹雪が嘘だったようになくなった。 雪の中に埋もれ隠れてたノーマン達がボコボコと顔を出す。 そのまま雪の中で永遠の眠りについたノーマンもいた。 永遠の眠りについたノーマンを全て掘り起こし、フードサプリや服や荷物を剥ぎ取る。 死人に必要ないものは全て持っていく。 クラックを渡りきった時点で149人いたノーマン達。 今朝生き残ったノーマンは45人。 掘り起こしたノーマンは39人。 来た道を戻ったか、雪吹雪で倒れたか…いないノーマンは65人だった。 新しい墓標を引きずる45人は再び行進を始める。 さらにゆっくりとなった行進だったが、昨日の事を思えば楽に思えた。 墓標を立てていく間隔が広がる。 まっすぐ直線に進んでるのが分かればいいだけの間隔で立てる。 45人はもはや前進するしかなかった。 一面見渡す限りの雪の平野。 それはまるで、自分が小さなノミか何かになって、大きな真っ白い画用紙の真ん中に置かれた気分にさせた。
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