sadojam 小説
南極ユーリ保護地区.27
夜になりドミトリーとドクターが位置を計算する。 正確な場所は星だけでは分からず、ドラム缶の存在は非常にありがたかった。 風で雪面の模様…サスツルギで、一定方向からの風が吹いてるのが分かる。 ドラム缶が転がってきた方向に基地がある…つまり風に向かって進めばいいのだ。 翌朝早くから行進が始まる。 今までと違う事は、誰もが周りを見渡しながら歩く事だった。 なだらかだが小高い雪丘に登り、地平線を見渡す。 何もなければまた戻り風に向かい進む。 変則的なジグザグ行進で移動。 もう見つけてもよさそうなはずだが、見渡す限り白面の世界。 複雑な迷路も迷うのだが、逆に線も何もない迷路も迷う。 ゴールはどこにあるのだろうか? 風が強くなり、寒さに冷気が増し痛く感じる。 ここは小高い雪山に囲まれた盆地らしく冷気が集まってきてる。 それは雪質でも分かる。 いつの間にかペリカンの皮で作った靴が完全に雪にめりこまなくなった。 地面は氷に変わってる。 基地は平地に建てる。風避けに峰や小高い丘に囲まれた平雪に。
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