sadojam 小説
南極ユーリ保護地区.31
丸1日休み、丸1日かけて斜面を這い上がった。 雪の平野には動いてるノーマンは1人としていなかった。 無惨に引き裂かれた赤い物体が10個、散らばっていた。 10個の物体の周りには、頭や手や足、そして足跡が散乱していた。 生き延びたノーマンが昨日のうちに、フードサプリや使える荷物を全て剥ぎ取ってしまっていた。 ドクターを休ませてる間に、ドミトリーは10個の物体から取りこぼした荷物を全て剥ぎ取った。 フードサプリは数日分もなかった。 数日しか生きられない…ドミトリーの悲観と絶望。だが、すぐに怒りにすり代わった…生存本能が絶望を憤怒に変えた。 奪ったヤツから奪い返してやる。 憎しみを糧に生きろ。と本能が生き延びるために指令を出した。 赤く染まった物体から服を剥がしドミトリーはそれをかぶった。 他の生き延びたノーマンに見つかるように。目立つために。 どの動物も食料は必要だった。
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