丸1日休み、丸1日かけて斜面を這い上がった。
雪の平野には動いてるノーマンは1人としていなかった。
無惨に引き裂かれた赤い物体が10個、散らばっていた。
10個の物体の周りには、頭や手や足、そして足跡が散乱していた。
生き延びたノーマンが昨日のうちに、フードサプリや使える荷物を全て剥ぎ取ってしまっていた。
ドクターを休ませてる間に、ドミトリーは10個の物体から取りこぼした荷物を全て剥ぎ取った。
フードサプリは数日分もなかった。
数日しか生きられない…ドミトリーの悲観と絶望。だが、すぐに怒りにすり代わった…生存本能が絶望を憤怒に変えた。
奪ったヤツから奪い返してやる。
憎しみを糧に生きろ。と本能が生き延びるために指令を出した。
赤く染まった物体から服を剥がしドミトリーはそれをかぶった。
他の生き延びたノーマンに見つかるように。目立つために。
どの動物も食料は必要だった。