基地を探す事より食料…フードサプリを持ったノーマンを捜す事が最優先事項になった。
ドクターも赤い血のついた服をかぶった。
ネンザは治ったのか、我慢してるのかは、深くかぶったフードのせいで顔が分からなかった。
だがドミトリーの歩く速度に、ドクターはしっかりと着いて来ている。
風を正面に、ただただ進む。
すると前方に煙が見えた。
赤い服を脱ぎ、かがむようにソロソロと近づく。
4人のノーマンが火を囲み座っていた。
ドミトリーの目に殺意が宿る。
ドクターが言った。
[そんな目をしたらバレるぞ]
ドミトリーは雪で顔を乱暴に洗った。
それから立ち上がって赤い血のついた服を振り上げ、4人に気付かれるように大きく左右に振った。
ドクターはわざと足を引きずる仕草をした。
4人を油断させるために。
つまりは4人から食料を奪うために。
近づくと4人の顔からは安堵の表情が見られた。
4人ともどこに進めばよいのか途方に暮れていたのだった。
火で身体を暖め、雪を溶かしたお湯を飲み肉体を温め、6人は歩き始めた。
2人は生き延びるために。
4人は殺されるために。