sadojam 小説
南極ユーリ保護地区.34
6人がアエギながらも登りきる。 そこは、せりあがってた峰の上で、今度は先ほどと同じような急な勾配があった。 ただ今度は滑り降りるだけだから楽ではあった。 そしてついに基地を見つけた。 まだ遠くにあり、建物と鉄塔しか見えないが確かに人工物だった。 ドミトリーは疲労も殺意も忘れ歓喜した。 滑り降りようとしたが下に小さなクラックが所々にあって危険だった。 クラックのない場所まで尾根づたいに基地へ向かう。 尾根は[馬の背]と呼ばれる尾根で、幅が狭く2人並んで歩けるかどうか。 右も左もなだらかな勾配で万が一滑り落ちても怪我はしない。 だが右は再び登らなければならないし、左は運が悪ければクラックにそのまま呑み込まれる。
ギフト
0