sadojam 小説
南極ユーリ保護地区.36
小屋は3つ。どれも窓ガラスには板が目張りされ、入り口には鍵が施錠されていた。 人1人いない状況は明らかだった。 ドクターが、2グループに別れ散策する事を提案した。 ドミトリーとノーマン2人。 ドクターに1人。 別れ間際、ドミトリーはドクターの視線に気付いた。 [もう必要ない。殺せ] ドクターは口に出さず目で訴えてきた。 ドミトリーは表情を変えず了承の返事を送った。 やはりドクターが尾根で殺したのだ。 ドクターのその目で確信に変わった。 …さて、どうやって殺せばいいのか。 ドミトリーは考えながら2人を引き連れ、基地をうろついた。 板を剥がすための手頃な鈍器を探す。 小さな子供の腕ほどのスパナが見つかる。 ドミトリーは数回無造作に振り回す。重量がほど良く、手にしっくり馴染む。 どの小屋も地面に直接建ってるのではなく、小屋の下に50センチ程のすき間がある。 ドミトリーは1人にタンクを指差し、残留があるか確かめに行かす。 それからドミトリーより背の低いもう1人を、小屋の下に潜らせ何かないか探させる事にした。 小屋の反対側に廻り、潜った小柄のノーマンに、こっち側に出るように伝える。
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