小屋は3つ。どれも窓ガラスには板が目張りされ、入り口には鍵が施錠されていた。
人1人いない状況は明らかだった。
ドクターが、2グループに別れ散策する事を提案した。
ドミトリーとノーマン2人。
ドクターに1人。
別れ間際、ドミトリーはドクターの視線に気付いた。
[もう必要ない。殺せ]
ドクターは口に出さず目で訴えてきた。
ドミトリーは表情を変えず了承の返事を送った。
やはりドクターが尾根で殺したのだ。
ドクターのその目で確信に変わった。
…さて、どうやって殺せばいいのか。
ドミトリーは考えながら2人を引き連れ、基地をうろついた。
板を剥がすための手頃な鈍器を探す。
小さな子供の腕ほどのスパナが見つかる。
ドミトリーは数回無造作に振り回す。重量がほど良く、手にしっくり馴染む。
どの小屋も地面に直接建ってるのではなく、小屋の下に50センチ程のすき間がある。
ドミトリーは1人にタンクを指差し、残留があるか確かめに行かす。
それからドミトリーより背の低いもう1人を、小屋の下に潜らせ何かないか探させる事にした。
小屋の反対側に廻り、潜った小柄のノーマンに、こっち側に出るように伝える。