調理室では携帯コンロ数台と未使用の携帯ガスボンベ10ダース。
各種の調味料。冷蔵庫は空っぽ。
ドミトリーは迷わず携帯コンロにガスボンベを次々にセットし、火をつける。
凍る程の寒さに慣れたドミトリー達は汗が出る程暖かくなった。
ドクターが火を消した。
温かさに慣れてしまうのはよくない事だと。
適度に探索した後で再び事務所に戻る。
鍵の束に記録簿にノート型パソコン。
ライターに珈琲の袋。懐中電灯。
幸せそうに笑ってる女と男の子の写真。
誰かの妻と子供だろう。
何故だか分からないが殺意が湧いた。
クシャクシャに握り潰し、火の入ってるゴミ箱に入れる。
ノートパソコンは起動したがすぐに消えた。バッテリーがない。
記録簿は昔の物だった。
書類という書類をまさぐっては放る。
たまに火のゴミ箱に放る。
ドクターは他を探索すると言って出ていった。
ドミトリーは書類…地図捜しに夢中で、あいまいに返事をした。
ドクターがいつ出ていったのかも分からなかった。