sadojam 小説
南極ユーリ保護地区40
調理室では携帯コンロ数台と未使用の携帯ガスボンベ10ダース。 各種の調味料。冷蔵庫は空っぽ。 ドミトリーは迷わず携帯コンロにガスボンベを次々にセットし、火をつける。 凍る程の寒さに慣れたドミトリー達は汗が出る程暖かくなった。 ドクターが火を消した。 温かさに慣れてしまうのはよくない事だと。 適度に探索した後で再び事務所に戻る。 鍵の束に記録簿にノート型パソコン。 ライターに珈琲の袋。懐中電灯。 幸せそうに笑ってる女と男の子の写真。 誰かの妻と子供だろう。 何故だか分からないが殺意が湧いた。 クシャクシャに握り潰し、火の入ってるゴミ箱に入れる。 ノートパソコンは起動したがすぐに消えた。バッテリーがない。 記録簿は昔の物だった。 書類という書類をまさぐっては放る。 たまに火のゴミ箱に放る。 ドクターは他を探索すると言って出ていった。 ドミトリーは書類…地図捜しに夢中で、あいまいに返事をした。 ドクターがいつ出ていったのかも分からなかった。
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