sadojam 小説
南極ユーリ保護地区.41
ドミトリーが地図を見つけ、脱出ルートを思案してる時にドクターが帰って来た。 [車や雪上車両は何もない。スノーモービルも見当たらん。暗くなったし、明日もう一度捜そう] ルート捜しに夢中になっていたドミトリーは、暗くなったのにも気付かなかった。 乾パンに肉の缶詰、温かいコンソメスープ…豪華な食事をしたが、意外な事にかなりの量を残した。 胃が全く受け付けないのだ。 2人は食事よりも、たき火で沸かした風呂の方が嬉しかった。 文明社会では当たり前な事が、ノーマンであるドミトリーとドクターにはものすごく幸せに思えた。 個室にベッドを2つ並べて一緒に寝たが、ベッドが柔らか過ぎてどうにも居心地が悪かった。 結局、ベッドをどかした個室へ移り、布団を地面に敷きそこで寝入った。 ドミトリーが目覚めたのは翌日も夕方4時だった。 ここには時計があった。 ドクターが死んだのかと不安になる位、静かに眠っていた。 揺り動かすとやっと起きた。
ギフト
0