sadojam 小説
南極ユーリ保護地区.46
[ドクターならどうする?] とりあえず脱出ルート通りに進む。 とにかく基地から出来る限り離れる事が先決だった。 帆に風を目一杯当てる。怖い程スピードが上がる。 ドクターが肩を叩いた…止まれの合図。 止まりかける前にドクターは言った。 [地面に隠れるしかない] 少し高台の下に穴を掘る事にした。 高台の下は雪が溜まるので柔らかい。 飛行機の明かりはまだ見えない。 星の瞬きと飛行機の明かりは全く違うからすぐに分かるはずだ。 空を気にしながら雪を掘る。 2人が入れる位の穴を掘り、帆を外し、敷いて荷物を入れる。 ソリをひっくり返しソリに雪をかける。 ドクターが先に入り、ソリをフタ代わりに乗せて雪をかける。 横に通風口を作ると同時にドミトリーがそこから入る。 通風口を雪で固めてる。 窮屈だが完全なシェルターだ。 快適さは昨日の夜までとは雲泥の差だが…。
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