三つ巴の均衡が崩れたのは新たにやって来たノーマン達の存在だった。
雲南省保護地区にやって来た100人全員が、中国マフィアの一大組織、黒竜(ヘイロン)のメンバーだった。
黒竜のボスであるアル・ウェイツォンが自宅で就寝中、傷害疑惑で突然逮捕。その拘置中に死をむかえた。警察の発表では心臓発作。
それをバカ正直に信じる黒竜達ではなかった。殺したのは警察の仕業だと判断した彼等は幹部ら合わせて約500人が真っ昼間堂々、各地の警察署に一斉に殴り込んだ。
この衝撃的な事件は警察官とその場にいた市民合わせて死亡者303人。負傷者1000人近くを出し中国全土を震撼させた。
黒竜組織はこれで事実上の解散。関与した人間のほとんどが死刑と決まり、各地区にあるノーマン保護地区に追放された。
雲南省保護地区に来た黒竜組織100人。そのうちの1人がボスの息子、ロン・ウェイツォンだった。