チャンが口を挟んだ。いつもならたいがいの事はカオに任せていた。
だが今回は相手が黒竜だと分かれば話は違った。
元公安警察だったチャンは黒竜を憎んでいた。
[お前らは人間じゃねえ。虫ケラにも劣る。今すぐ俺が切り刻んでやる。全員をだ]
黒竜もまた警察を憎んでいた。
ロンがチャンの挑発にのった。チャンが元警察だと分かったから。
中国マフィアは警察の匂いに敏感なのだ。
[やってみろよ。ブタ野郎。こないだお前と同じクソブタを殺ってやったぜ。200人もだ]
ロンのセリフが終わるや否や99人の仲間が怒声をあげた。
[やめんか2人とも]
カオの低く通る声が響く。
静まり返るのを見計らってカオが言った。
[このまま2000人を相手に戦うか?お前達は全滅するぞ]
ロンの答え。
[俺は仲間を1人も死なせない。もし1人でも殺したらお前ら全員を殺す。2000人全員をだ]
ロンは唾を撒き散らしながら吠えた。
カオは挑発に乗らず
[なら俺達はお前達を殺さないと約束しよう。その代わり20人を選んで、お前が殺せ]
老猾なカオはそれが無理な事は分かっていた。ただ考える時間がもっと欲しかっただけだ。
まさか新しいノーマン100人全員が仲間だとは思ってもみなかった。