sadojam 小説
中国雲南省保護地区.8
チャンが口を挟んだ。いつもならたいがいの事はカオに任せていた。 だが今回は相手が黒竜だと分かれば話は違った。 元公安警察だったチャンは黒竜を憎んでいた。 [お前らは人間じゃねえ。虫ケラにも劣る。今すぐ俺が切り刻んでやる。全員をだ] 黒竜もまた警察を憎んでいた。 ロンがチャンの挑発にのった。チャンが元警察だと分かったから。 中国マフィアは警察の匂いに敏感なのだ。 [やってみろよ。ブタ野郎。こないだお前と同じクソブタを殺ってやったぜ。200人もだ] ロンのセリフが終わるや否や99人の仲間が怒声をあげた。 [やめんか2人とも] カオの低く通る声が響く。 静まり返るのを見計らってカオが言った。 [このまま2000人を相手に戦うか?お前達は全滅するぞ] ロンの答え。 [俺は仲間を1人も死なせない。もし1人でも殺したらお前ら全員を殺す。2000人全員をだ] ロンは唾を撒き散らしながら吠えた。 カオは挑発に乗らず [なら俺達はお前達を殺さないと約束しよう。その代わり20人を選んで、お前が殺せ] 老猾なカオはそれが無理な事は分かっていた。ただ考える時間がもっと欲しかっただけだ。 まさか新しいノーマン100人全員が仲間だとは思ってもみなかった。
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