sadojam 小説
中国雲南省保護地区.11
年の功とも言える狡猾さを持ったカオもロンの怯えた表情を見逃す事はなかった。 チャンが気付けなかった事を、カオは気付いていた。 ボスだった父親がまだ生きてる時のナンバー2の存在がいるかもしれない事を。 まだ若く父親の威厳を利用してきただけのロン一人が黒竜を統率できる訳がない。 必ずどこかに父親の側近かナンバー2がいるはずだ。 実際に黒竜を牛耳ってるヤツを探さなければならない。 カオはロン以外の黒竜達を観察し始めた。 反面、チャンはロンしか見ていなかった。 左右の手にピアノ線の端を握り張りながら向かう。 チャンに殴りかかる男の拳を、細いピアノ線で受け止める。男の拳にピアノ線が食い込む。 食い込む感触が感じた瞬間、片手に掴んでたピアノ線を離し引く。 再びピアノ線を張り、指の付け根を切断されてうめく男の首に巻き付ける。 すぐさま片手からピアノ線を離し引く。 細く鋭利なピアノ線は簡単にあっけなく肉を裂く。 人の肉は柔らかい。 返り血がチャンに降りかかる。 叫びながらナイフを突き刺してきた男の手首にピアノ線を巻き付け、瞬間片手を引く。 切断する必要はない。 引くだけでスパッと肉は切れるのだ。
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