sadojam 小説
中国雲南省保護地区.12
ツァイは殺し合いが始まったドサクサに紛れ逃げ出していた。 命に対しての価値観がチャン達とは違っていた。 ノーマンは死刑や無期懲役になった元人間。 言い換えれば、一度死んだ人間。死ぬべきだった人間。 殺し合いに参加するチャン達は一度死んだはずの命は儲けモノだと思ってる。 ツァイは違った…一度助かった命をまた失うのはごめんだと考えていた。 未来を生きたい。 今を生きたい。 似たようでも差は大きく違う。 そう言った意味ではロンもツァイと同じ意見だった。 死にたくない…この思いが若いロンとツァイの共通の思いである。 流れる血を見て興奮する人間と恐怖を感じる人間がいる。 黒竜達はほとんどが興奮する人間だった。 2000人対100人…殺し合いに参加しなかったノーマンがいるから実際には、1200人対100人。 だが吹き出す血や倒れてく人間を見て、怯え逃げ出すノーマンが続出。 黒竜達は違った。逃げ出す事は組織を裏切る事。 裏切る事は死を意味する。 生き延びるには闘うしかないのだ。
ギフト
0