sadojam 小説
アフリカジンバブエ保護地区.3
戦いの時間。 ニカウは、あらゆるヤジや激励を浴びながら、人垣の中、通路を歩かされる。 止まりそうになると後ろから屈強な一級市民(ファーストピープル)が背中を押す。 人垣が開いた瞬間、ニカウは思いきり背中を押された。 深さ2メートル、10メートル四方の大きな正方形な穴に落とされた。 ニカウは足から落ち、危うく足をくじくとこだった。 10メートル四方の穴は、穴というより広間と呼んだ方がいいだろう。 地面を2メートル掘り下げただけで、床と壁はむき出しの土。 戦士達はこの場所を第一闘技場(ファーストスタジアム)と呼ぶ。 この闘技所の周りを500人ものノーマン達が、幾重にも重なり覗き込んでいた。 ノーマン達の喚声は興奮を伴い沸き騒いでいる。 ニカウの相向かい側から1人のノーマンが突き落とされた。 彼は勢いあまり前のめりに倒れた。 ヤジに笑いが混じり、見物者の喚声が一層大きくなった。 ニカウは昨日までその見物者の立場にいた。 ニカウはこれから、まだうずくまってる相手と、殺すか殺されるかまでの戦いをするのだ。
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